ことわざ中国株第13回:裏道にこそ花の山

現実的な投資方法:人気がないときが買い場−小泉鉄造

  株式市場では時代背景によりいろいろな事が起こるたびに株価が大きく上がったり下がったりします。1999年代の中国B株株式市場では国有企業がリストラを進めたために株価は大きく下がりました。上海B株指数では21ポイントまで下がっています。深センB株指数も41ポイントまで大きく下がっていました。中国株に人気がなかった時期ですから株価でも大きく下がっていました。

  ですが2001年2月には今まで中国人投資家が購入できなかったB株市場に外貨で購入を認めたために中国株は人気が出てB株株式市場の株価は大きく値上がりしました。上海B株指数は2001年6月には241ポイントまで上がっています。深センB株指数は2001年5月に445ポイントまで上がりました。

  1999年代に株価が下がった時は投資家心理が下がっているときですから、多くの投資家は投資を控えています。2001年6月は逆に投資家心理が上がっているときですから多くの投資家が買いを入れています。

  では1999年に下がっている企業と2001年に上がった企業の株は別なものだったのでしょうか。そんなことはありません。同じ企業の株価が上がったり下がったりしているだけです。

  深センB株市場の万科企業(コード:200002)の1999年3月の株価安値では0.238香港ドルでした。2005年11月23日の株価は4.38香港ドルでした。1999年の安値に比べ株価は18.4倍になっています。また1999年以降、万科企業は無償株を発行し、株数では4.5倍に増えています。安値からの値上がりの18.4倍に無償株の増えた分の4.5倍をかけますと82.8倍になります。

  もし1999年3月に0.238香港ドルで100万円分万科企業の株を購入していたなら金額でも82.8倍の8280万円まで膨らんでいました。また今後、万科企業の株が11月23日につけた4.38香港ドルの倍の8.76香港ドルになっとしたなら金額では8280万円の倍の1億6560万円になります。100万円の投資でも軽く1億円を突破していきます。

  株式投資で一番の底値で株を購入することはできません。底値近辺で購入できれば御の字です。万科企業の株だって1999年3月最安値の0.238香港ドルで購入することは普通はできません。ですが下がっているときに0.40香港ドルや0.50香港ドルで購入していたなら金額では4000万円から5000万円にまで膨らんでいました。ここで投資家が行った作業は中国の株式市場が人気がなくなったときに果敢に投資を行ったということだけです。

  株式投資では株式市場の株価が何らかの理由で大きく下がったならその時こそが買い場の大きなチャンスになります。今の中国株式市場では鳥インフルエンザが話題になってきており株価も上がりにくくなっています。また中国の通貨、元の切り上げの可能性もありますのでその時には株価が売られる場面も出てくるかもしれません。そのとき中国株が下がったなら優良企業で業績もいい企業に投資することで投資収益を拡大していくことができます。